根暗男子の恋バナ 第七話
どもども。お読み頂きありがとうございます。「初恋の話」ということで根暗男子の恋バナというジャンルで投稿しています。この話が初めての方、投稿順にリンクを貼っていますので、ぜひぜひ読んでみてください!
♥初恋の話
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「鬱病になった話」という投稿もしています。まだ、それ読んでないよって方は見て頂けると嬉しいです!
◆鬱病になった話
前回までのあらすじ
部活で、朝のランニングをしているところ、Rさんから間接的にフラれたことを知った僕。まだ告白もしていなかっただけに不完全燃焼のまま中学2年を終えるのであった。
続;シン・クラス
中学3年になり初登校の日。今回も例に漏れず、午前中は始業式でお偉いさんからありがたいお言葉をいただき、そして午後からはクラス発表になっていた。間接的にフラれた僕は、以前に比べてRさんへの思いは軽くなっていた。
そのため、クラス発表でも自分の名前を見つけて、すぐに配属されたクラスへと足を運んだ。向かった教室は3年5組。3年生にもなると、みんなお互い顔見知りであり、1年生や2年生の時とは違い、皆落ち着いた表情である。僕も自分の席へと腰を下ろし、友人たちとだべっていると、ぞくぞく新3年5組のクラスメイトが教室へと入ってくる。その中には、なんとRさんがいたのである。
僕の心の中)「僕はなんて幸運の持ち主なんだろう!」
そんなことを思いながら、僕は友人のおしゃべりを続けていた。しかし心の中はバクバクである。この時、またRさんへの思いが再燃したのである。僕の通っていた中学校は5クラス編成だったので、3年間の間に2度同じクラスになる人がいれば結構奇跡である。しかも、それが初恋相手なら、それはもう地球に生命が誕生できた確率と同程度。そのくらいの確率である。
(テンション上がりすぎて、かなり盛っちゃいましたが、地球に生命が誕生できた確率が断然低いと予想します…w)
僕にとっては、そのくらい嬉しいことだったのかもしれない。そして、ワクワクの中学3年生がスタートするのである。
課外活動
奇跡のクラス発表から1ヶ月が過ぎ、コミュ症を発症していた根暗男子の中学僕は、皆さん予想通り、一向にRさんとはおしゃべりをすることができずにいた。
時は5月、中学3年生になってから初めてのイベント、課外活動が行われるのである。
課外活動の内容は、クラス内外の交流を図るという観点から、3年全体でバーベキューをすることになった。また、各クラスが様々な企画を持ち寄り、舞台の上で発表するというイベントも開催することになったのである。
(今、この記事を書きながら、凄く漫画っぽくて良いなぁ〜と思う。なんて青春漫画なんだろうと。イケメンと美女が甘酸っぱい一夏を過ごす青春漫画ね。でも現実は根暗男子と美人なので、美女と野獣が近いかと思う…w。漫画的にはここから何かしら起こるんだけど、どうなるのか…)
制服ッ!!?
3年5組は何を発表するのか。そんな会議が行われ、様々な意見が飛び交う中、最終的にはみんなでダンスを披露することになった。
(こう見ると、中学生が考えそうな普通の出し物。何かハプニングが起こるような気配もない。)
普通にダンスをするだけでは面白くないという意見も出たので、付随する形で、男女の服装を逆にすることになった。
つまり、男子が女子の格好をし、女子が男子の格好をするということである。服装のカテゴリー案が何個か提示される中、僕は制服カテゴリーになったのである。
つまり、同じクラスの女子生徒のセーラー服一式を借りることになったのである。
会議の中で、私の服はあの人に貸したくない!っていう声がなかったのか甚だ疑問になる企画ではある。しかし中学生が考える企画なんて突拍子がなくてどこか現実的。そこが面白さの所以なのだろう。そうなると、誰が誰に自分のセーラー服を貸すのか、そんな会議が黒板の前で始まっていた。どんな話し合いをしたのか僕は知る由もないが、後に衝撃の事実を知ることになる。
ぼ、、、僕ッ!!?
数日後、誰が誰のセーラー服を借りるのか報告が来た。
Rさん)「僕君、ちょっと良い?」
中学僕)「ん!?どうした!?」
Rさん)「この前の話の結果、私の制服を貸すことになったから、後で渡すね!」
中学僕)「えっ!?ぼ、、、僕ッ!!?わ、分かった。ありがとう!」
なんと、僕は初恋の相手Rさんからセーラー服を借りることになったのである。そんな漫画みたいなことがありえるのだろうか。当時の僕もそう思いながら、Rさんの会話に受け答えしていた。
(今考えても、やらせを疑うレベルで信じられないが、ノンフィクションです!)
青春!!!...か?
Rさんのセーラー服を借りることが決まり、課外活動当日、その日の天気はあまりよろしくなさそうで、かなりジメジメしていた。セーラー服一式を汚さないように、その日は極力汗をかかずにいようと意識していたのだが、意識すればするほどかくもの、それが汗である。中学生の僕は、特に脇汗を大量にかくことに悩みがあり、その日も例に漏れず脇汗が滴っていたのである。
3年5組の出し物が次に迫った時、彼女から制服一式を手渡され、僕は着方に戸惑いながら、服とスカートを着る。服は肩幅が合わず、スカートは腰部分のチャックが上まで閉めることができなかった。Rさんと僕はあまり身長差がなかったが、やはり男性と女性では体の作りが違うことを意識する初めての瞬間だったかもしれない。
完全に体にフィットした制服を着て、舞台に立っていたわけだが、必死すぎてその当時のことはあまり記憶には残っていない。出し物が終わり、制服一式を脱ぎ、丁寧に畳んだあと、Rさんのもとへと向かう。
中学僕)「Rさんっ!制服貸してくれてありがとうっ!クリーニングに出して返した方がいいよね…?」
Rさん)「いや、そのままで大丈夫だよ。」
中学僕)「えっ!ほんとに?…」
そんなやりとりをしながら、幸せを噛み締めていた僕。とても幸せな時間を過ごしていた。そう今思うのである。
僕の伝えたいこと
今回はここまで。3年生になり、再びRさんと同じクラスになり、奇跡だと確信していた僕。そんな奇跡に加えて起こる奇妙な出来事。彼女の制服を着る時が来るなんてあの当時は思いもしませんでした…
今でも、僕のただの妄想だったのではないかと自分の記憶を疑っています。
(そうであればただの変態ですね…)
でも、あれはノンフィクションでした。
”現実は小説より奇なり”という有名な言葉がありますが、小説より奇妙なことが実際におこるものなんですねw
ーー💡ちょっと豆知識ーー
”現実は小説より奇なり”の元ネタ
現実の世界で実際に起こる出来事は、空想によって書かれた小説よりもかえって不思議であるという意味のことわざ。”事実は小説より奇なり”は、イギリスの詩人バイロンの作品「ドン・ジュアン」の一節から生まれた表現なんだって。
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この奇妙な出来事、漫画化のお話があれば、ぜひお問い合わせよりw
以上、ここまで読んでくれてありがとう。これが、あなたの特別な時間になってもらえたら嬉しい。それでは、また!
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